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調査結果を踏まえて
常務ブログ

2026.02.24

昨年末に国土交通省が令和6年能登半島地震の建築物被害に関する「最終とりまとめ」を公表しました。既に年明けにメディアで取り上げられていたので、ご存知の方も多いかと思います。
要約した木造建築物の倒壊・崩壊の状況を記します。

・新耐震基準(1981年)以前   19.4% 662棟/3408棟
・新耐震基準~2000年基準まで 5.4%  48棟/ 893棟
・2000年基準         0.7%  4棟/ 608棟

2000年以降の木造で倒壊・崩壊した4棟のうち図面が収集できた2棟については規定をクリアしておらず、図面が取集できなかった1棟は築100年程度の住宅を移築しており壁量の不足が考えられ、残りの1棟の明確な被害要因の確定はできずとの事でした。特殊なケースを除くと阪神・淡路大震災を教訓に改正された2000年基準の建物は倒壊を免れています。又、耐震等級2の建物は12棟あり、11棟が無被害で1棟が軽微から中破壊、耐震等級3の建物は19棟あり18棟が無被害で1棟が軽微から中破壊の結果でした。新耐震基準と2000年基準の大きな差は壁のバランス強化と接合部の強化ですが、2000年基準と耐震等級2以上の大きな差は床構面の検討です。4号特例縮小により木造2階建ての構造基準と審査が強化された事は大変良い事ですが、やはり力を正確に耐力壁へ伝達できているかを確認する床構面の検討は行うべきだと考えます。

又、「地震地域係数と建築物被害」という非常に興味深い記述がありました。建築物の構造計算をする際に地震力を算出するための係数「地震地域係数」がありますが、各地域における過去の地震記録に基づき、発生した地震の大きさや頻度等を踏まえて、地域ごとに0.7~1.0の数値を定めていて数字が小さいほど地震力が緩和されます。

■地震地域係数
・益城町 0.9
・能登北部0.9
・主に太平洋側 1.0

上記のように最近では地震地域係数が小さい地域でも大きい地震が頻発しており、地震地域係数の基準のあり方について検討すると記載がありました。尚、静岡県では南海トラフに備えて地震地域係数を1.2倍に義務化しています。今回の調査結果を踏まえて、当社ができる事は耐震性が高く安全安心な建物をつくり続ける事だと改めて思いました。
これからも常に研鑽を積み、技術の向上に努めて参ります。

 

 

この記事を書いた人

加藤正和

常務取締役