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コンクリートについて
スタッフブログ

2022.09.26

こんにちは、住宅事業部(設計)の黒沼です。

先日、市川市にて新築させて頂いている建物の基礎工事が着工しました。

基礎工事では土工事(根切)から始まり、基準コンクリート打設、基礎配筋、基礎コンクリート打設といった順番に構造躯体を構築していき、コンクリートを数回に分けて取り扱っていきます。
コンクリート打設にはコンクリート表面を金鏝で「押さえる」作業があり、この「押さえる」ことがコンクリート工事ではとても大事な作業になります。

「押さえる」理由にはコンクリート表面を平滑にし、仕上げ面をキレイにするのはもちろんですが、表面上では見えてこないコンクリートの性能を確保するための重要な役割があります。
コンクリートは打設後の硬化段階でコンクリート内部の余剰水が表面へ上昇してくる「ブリーディング現象」が生じます。
ブリーディングによりコンクリートに含まれる骨材は下方へ沈降していき、それにより起こる事象として構造体への不要なひび割れやコンクリートの均一性の低下、水密性また鉄筋への付着力の低下が発生してしまいます。

その状態を放っておくとコンクリートとして本来発揮できる強度では無くなり、脆弱な構造体となってしまいます。
その対策として行う一つの方法として「押さえる(またはタンピング)」ことで、沈降した骨材と鉄筋との空隙や表層を再度締め固めることが「押さえる」作業のポイントとなります。

コンクリートは建物を建てるには必要不可欠な材料であり、今回挙げたブリーディングだけではなく、様々な現象が発生してしまう繊細な材料でもあるため、打設の前後または運搬時間や配合計画など緻密な計画が必要とされます。

DAISHUの建物はよく建築中に近隣の方から「しっかりした基礎だね!」とお言葉を頂くことが多々あります。
構造にこだわる当社だからこそ、これからも重要な管理項目としてしっかり管理していきたいと思います。

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