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三階建完全分離型二世帯住宅③
常務ブログ

2023.11.05

建物の外観を考える時に○○比などで決められれば良いのですが、限られた敷地の中で最大限の要望を組み入れる際にこれを採用するのは難しく、ある程度感覚的な要素が大きい気がします。
例えば、あの建物はのっぽさんだな…と思う建物と、のっぽさんだけど「なんかいいな」と思う建物では水平、垂直の意識であったり絶妙なポイントの有無の違いがあったりします。矩計(高さ)も非常に重要な要素ですが、これは語ると長くなるので割愛します。(矩計の考えについては少しですがモデルハウスコンセプトブックに書きましたので、宜しければ資料請求フォームよりダウンロードをしてみてください。)今回は日影規制の対象外となる最高高さ10M以下を基本としている為、屋根の頂上の高さは概ね確定、北側屋根の範囲も高度斜線により決まっています。北側屋根を段々にセットバックさせて2階と3階の屋根を切り離すか、一体的な屋根にするかの選択肢はありましたが、後者を採用しました。理由は一つの「カタマリ」として見えた方がバランスが良かった事と、道路幅員4Mという狭い道路から見上げた時の迫力が増すと考えたからです。一つの急勾配の屋根にする事により屋根裏の空間に小屋裏収納庫をつくる事ができ、又、屋根の高さと北側の屋根の形状が決まった事により南側の屋根形状を決める事ができました。


一体的な屋根が特徴の外観

日射遮蔽や建物保護の観点から極力軒を出すようにしていますが、都市部では難しい場合が多々あります。この場合、日射遮蔽の観点では小庇をつけたり、外壁保護の観点では敷地の状況に合わせてサッシに防汚水切りをつけます。又、外壁を汚れの目立たない色で仕上げる事も一つの選択肢です。
今回、大きなポイントになっているのが奥行です。2台のビルトインガレージを道路面に設ける事で奥行感が出ており、2階のバルコニーも同様です。天井は無垢のレッドシダー仕上げ、テーブルを出して向かいの緑の借景を楽しめる空間になっていますが、インナーバルコニーとして楽しめる空間が外観の重要なアクセントになっています。むやみに建物を削ったり使い勝手を悪くしたりなど、無理に凹凸感を出すのではなく、複合的な要素を組み合わせた結果として良いデザインができました。


奥行があり迫力のある見上げの外観

3回に渡り簡単に設計プロセスをご説明させていただきましたが、いかがでしたか?今回は肝心の間取りの話をしていないので、まだまだ書き足りないのですが、終わらないのでこのへんにしておきます。(笑)


見学会の様子
バルコニーから見える美しい借景と造作TV台収納


造作TV台収納の打ち合わせ時のスケッチ

完成見学会ではたくさんの方がお越しになり、大変ご好評をいただきました。
見学会開催にご協力いただきましたお施主様のY様、誠にありがとうございました。これからも末永くお付き合いの程、宜しくお願い致します。

 

この記事を書いた人

加藤正和

常務取締役