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熊本地震の建物被害の原因分析
社長ブログ

2016.07.11

橋模型 
  私は実は工学部の機械工学科出身です。
学生時代、機械設計法という科目があり、或る時試験課題として木で橋を作る課題が出されました。

 勿論ただ作るだけではありません。具体的な課題は次。「指定された部位に○○Kgの負荷(重りを吊るす)をかけた時、丁度橋が倒壊するように設計をせよ」というものです。 橋の形について特に指定はありませんでした。

 私の設計した橋は、接着材をしっかり付けていなかったところがあり、その部位がはるかに軽い負荷で剥離してしまい、『「評価対象外」だなあ』と先生から一笑にふされました。

さて本題の熊本地震建物被害の原因分析。
熊本地震で益城町2000年6月以降の建物で倒壊したのは2.9%でした。
 新耐震基準以降の倒壊、崩壊した木造住宅99棟(建築学会の調査対象エリア外の19棟含む)。柱頭柱脚の接合仕様を確認できた94棟のうち、90棟は現行基準を満たしていない可能性があったそうです。倒壊原因としては接合仕様が不十分であったことと推測されています。地震の揺れで接合部が破壊され、耐力壁が有効に機能しなかったことが被害を大きくしたとのことです。9月に3回目の会合を開き、委員会としての報告書を取りまとめる予定。

熊本県益城町中心部の木造被害状況(2016.6.30. 有識者委員会資料)

どうですか被害の原因は接合部分が不十分との分析が、私の学生時代の失敗に多少似通っていませんでしょうか?
改めて、建築会社として仕様が正しく設計されているか、設計仕様通り施工されているか、基本といえば基本ですが、このような事象が発生した機会に初心に返ることが大切と思った次第です。

更に詳細分析が継続しているそうです、続報を待ちたいと思います。

<本投稿は新建ハウジングさんのメルマガから一部引用抜粋し、転載させてもらいました。>