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窓(サッシ)の話
社長ブログ

2016.10.29

2種のスプーン、サーモグラフィー(カメラ)、

そしてアイスクリームを利用した実験へと話を展開しました。

良い家づくりにおいて常に参考とさせていだだいている

「松尾和也」氏のお話も引用しながらまとめの投稿と致します。

 

暑さの7割寒さの6割は窓が原因なのに、

     日本の窓は中国の最低基準以下」 (松尾和也氏)

最初にこの話を聞いた時、科学・医学分野の先端を走る

日本において「まさか?そんなことはないだろう」と思いました。

でも、事実であることを知るに及び愕然としました。

 

確かに、日本における窓枠素材の主役はいまだにアルミサッシです。
樹脂サッシの導入率は全国では8%に過ぎません。

当社の推奨は勿論「樹脂」。 代表モデルの「JUDO」は樹脂サッシが標準です。

如何にこのことが大切なことか、「百聞は一見にしかず」で理解いただこう。

その願いから「アイスクリーム+スプーン」実験を行いました。

 

目に見えにくい、分かりにくい建築の世界を分かり易くご説明する努力を続けて参ります。

 

 

松野和也氏のお話の引用続けます。

「アルミの枠は熱が逃げやすい」
窓は枠とガラスで構成されている。このうちガラスの方はそれほど諸外国に比べて劣っているわけではない。問題は窓枠にある。断熱性能が低い窓枠は、あたかも隙間風が吹き込むかのようだ。日本のサッシの大半は、枠がアルミでできている。理由はアルミが加工しやすい、工場のラインがアルミ向けであるといったことにある。しかし物理的に考えれば、枠にアルミを使うことはあり得ない。断熱性能の目安となる熱伝導率で各材料を比較してみれば明らかである。
熱伝導率は、アルミかそうでないかで約1000倍も異なる。だから世界的にはサッシの樹脂化や木質化は当たり前になってきている。

松尾和也氏 http://www.matsuosekkei.com/kazuya.html
松尾設計室 代表取締役 JIA(日本建築家協会)登録建築家
一級建築士

低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン
松尾和也 松尾設計室代表 2014/11/7 7:00 日本経済新聞 電子版

前真之先生
東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授

 

最後に詳しく知りたい方への資料として幾つかの項目について調べておきました。

「樹脂サッシの歴史」

樹脂サッシは1955年にドイツのヘキスト社で開発されました。1960年代にヨーロッパで住宅省エネ化の機運にのって複層ガラスを使った樹脂サッシが評価され、需要を拡大してきました。 アメリカでは1970年代に導入が始まりました。1980年代の後半に、ヨーロッパでは樹脂サッシがトップシェアを占めるようになり、アメリカでは本格普及が始まりました。その後、わずか10年余で総出荷窓の半分近くを占めるようになりました。

「なぜ日本で同じことが起こらなかったのか?」 日本では1975年に樹脂サッシの発売開始され、北海道など寒冷地で採用が進みました。ところが全国的には世界一の生産技術で低価格を実現したアルミ製が圧倒的に強く、樹脂製はまだ7%弱にすぎません。

「樹脂サッシの導入率国際比較」

導入率の最近では、日本でも普及が進み、北海道では窓の90%以上が樹脂サッシですが、日本全体から見れば8%に過ぎません。
外国では、イギリス66%、ドイツ60%、フランス69%、アメリカ67%、韓国67%など広く普及しています。ただ、外国のサッシは、取り換えることを前提に取り付けられています。日本のように一度取り付ければ、まず取り換えのない納め方では、比較的歴史が浅く、経年変化による劣化を問題視する声もあり、普及は難しいのではないかとおもわれます。また強度に関してもアルミより劣るため厚みが増したものになります。

「国内アルミニウム工業の盛衰」

ア ル ミ ニ ウ ム は 、 現 代 社 会 を 支 え る 金 属 素 材 と し て 鉄 や 銅 と 並 ぶ 重 要 な 地 位 を占めている。新地金ベースのアルミニウム消費量は、 201 0 年 に は 中 国 の 15 80 万トン、アメリカの 42 4 万トンに次いで、日本は 202.5 万 ト ン で 世 界 第 3 位と推定されている。日本のアルミニウム製錬業は、 1978 年 に は 年 産 能 力 164 万トンと世界 第 3 位 の 規 模 に 達 し 、 1980 年 ま で は 国 内 消 費 に 対 し て 60%を 越 え る 自 給 率 を 維持していた。しかし、 2 回のオイルショックと 円為替の上昇によって製錬企業はあいついでアルミニウム製錬から撤退し、 1990 年 以 降 は 新 地 金 の 国 内 生 産 は 日 本軽金属㈱の蒲原工場が、年産 2 万トン~ 5 千 ト ン 程 度 を 生 産 す る の み と い う 状 態になった。その後、 2 014 年 3 月 末 に 蒲 原 工 場 も ア ル ミ ニ ウ ム 製 錬 を 停 止 し 、 日 本のアルミニウム製錬は 1934 年以来 80 年 の 歴 史 を 閉 じ た 。

 

参考サイト

樹脂サッシ工業会 http://www.p-sash.jp/