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輪読「あたらしい家づくりの教科書」②
社長ブログ

2017.01.18

 よい家は「健康」をつくる

 本日は「岩前篤」先生の登場です。プロフィール
書籍では『 よい家は「健康」をつくる』がご担当。
重要な部分を抜粋してご紹介します。

「おかえりなさい、気をつけて」

家の中で、交通事故の3倍もの方々が亡くなっている日本。
原因の多くはヒートショックや低温によるもの。
欧米では賃貸物件の最低室温が法律で決められているほど。
「低温は万病の元」が世界の常識です。

家のつくりやうは夏をむねとすべし。
冬はいかなるところにも住まる。
暑き頃わろき住居は堪えがたきことなり(徒然草)

兼好法師が生きておられた時代の頃はこの言葉が正しかった。 が、今はそうでない。

月別死亡率の変化(1910~1970)
日本に残る最古の統計(1910年=明治43年)では8月が最も死亡者が多くなっています。
1970年(昭和55年)には完全に冬が最も多い季節となっています。
低温に起因する日本における年間死亡者数は12万人(2015年調査)、
そのうち、風呂場死亡(含む搬送後死亡)は17,000人です。
昔、外より家の中は安全でした。
それが「いってらっしゃい、気を付けて」が表現するところです。
しかし、統計データの変化は「おかえりなさい、気をつけて」
と家の中で注意が必要になっています。
事故による年間死亡者数
<2016年交通事故死は3,904名>

「低温は万病のもと」

タイトルの実態を明確に示したグラフ。戸建住宅に引っ越した2万人以上へのアンケート結果。
「健康」と「住まいの断熱性」に明確な相関関係があります。
各種疾患と改善率 転居した住宅性能との関係

特に注意すべきは、寒冷地よりも住宅の寒さ対策が遅れているエリア。
<東京・神奈川・埼玉そして千葉のエリアといっていいでしょう>

近年、快適な熱環境の家は、
健康はもちろん美容やお財布にもよいことが分かってきています。
健康状態と精神状態とつやつや肌の関係。
研究者の間では、腸・脳・皮膚相関と言います。

気密の低い家では加湿器も役立たないどころか、押し入れのカビの原因にもなる。

 

高性能なエコハウスに住むと年間9000円の医療費が削減

長寿と健康は異なります。
健康寿命と平均寿命の差を厚生労働省は「不健康な期間」と言っています。
わが国が11年を超えるのに対して、欧米各国は7年から8年程度です。
 標準家庭におけるシュミレーションでは、
断熱に必要なコストを、その後の暖冷房の省エネコストで割ると、
25年から30年かかることになります。

これに医療費低減コストを合わせると15年程度に短縮されます。